2017|向かえ|「胸を張って」山内康平

元々、まともにスポーツをやってこなかった自分にとって、
ラクロス部の練習はとてもキツいものだった。
今でも、よく続けてこられたなと自分でも思うし、
周りからもそう言われることがしばしばある。
ラクロス自体が楽しいから、続けられたという理由もあったが、
やはり同期の存在が大きかったと思う。
練習中は同期の頑張りを見て、自分も頑張ろうと思えたし、練習外では本当に楽しい時間を過ごすことができた。
だからと言うべきか、一つ上の先輩が引退して最初に感じたのは焦りだった。
それまでも、勿論焦りはあったし、何の取り柄もない自分に対する苛立ちもあった。
けれど、このままでは同期と一緒に最後のシーズンに出れないということを改めて認識したら、今まで以上に強く焦りを覚えた。
あまりに遅い認識だったと思う。
それでも諦めたくなくて、唯一マシだった対人で勝負しようと頑張った。
結果として、
なんとかAに食い込むことができた。
本当に嬉しかった。
これで一緒に戦える、そう思った。
けれど、
これからという時に、足を怪我してしまった。
最初は、すぐに復帰できると思っていたけど、治りが遅い部位だったようで、いつまでたっても復帰の許可が出なかった。
あっという間に、2ヶ月、3ヶ月と経っていった。
途中同期の言葉もあって、許可がなくても復帰しようと考えたこともあったが、
「リーグ戦の途中で消える可能性が残ってしまう以上、それを決めるのは自分ではなくチームだ」
と言われ、それに納得してしまった。
復帰した今、正直自分の状況はひどいと思う。
元々課題だったパスキャやオフボールは後輩に迷惑をかけるレベルだし、頼みの綱の対人も大したことない。
しかし、これは怪我のせいというよりは、これまでの自分の努力が甘かったせいだ。
怪我をしても揺るがないくらい、実力をつけていればそれでよかった。
何を考えようが、これから相当努力しなければ、再びAに食い込むことができないのは明らかだ。
元々自分はセンスがないし、急激に上手くなる素質があるとも思っていない。
できるのは、地道に努力を積み重ねていくことだけ。
自分より上手い後輩がいる以上、チームの勝利のために後輩が出るのは当たり前だと思う。
むしろ、、どんどん活躍してほしい。
同期を、チームを、勝利に導いてほしい。
けれど、それは自分でやりたい。
「一つでも多くの試合に出て活躍し、チームの勝利に貢献したと胸を張って言えるようになりたい。」
ちっぽけかもしれないけど、それが自分の今の想いだ。